Neurological music therapy
カナダのトロント州立大学教授 Dr.Thautらにより確立された新しいリハビリテーションシステムで、物理的あるいは器質的中枢神経的障害からの動作、認識、感覚障害に音楽による更なる教育を加えることで現実社会への適応の促進を期待するトレーニングを行います。
当院では脳卒中、パーキンソン病、運動性失語症、認知症、失行症、高次脳機能障害などの患者様を対象としています。
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音楽療法士が提示するリズムに合わせて歩行練習を行います。リズムをつけた歩行訓練は、基本的に理学療法士と共同で実施しています。リズムよく歩く練習をすることで、歩行速度と歩幅の改善、左右のバランスの向上を図ります。
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麻痺によって動きにくくなった手指、腕、脚の動きや一連の動作を楽器演奏を通して促していきます。例えば、指の運動としてピアノの鍵盤を弾くことや、腕を上げる練習として太鼓の演奏を行うなど。また、少し遠くに設置した楽器を演奏することで、座位や立位時に麻痺側に体重をかける練習を行っています。
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リズムをとりながら単語やフレーズをメロディーにのせて表出する練習をします。失語症の方でも歌を歌う能力が保たれていることが多く、言葉も歌のように唱えることから始め、話し言葉に移行していく練習です。
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音楽を聞いたり演奏したりすることで注意機能の向上を図ります。例えば音楽を聞いて行う課題では、演奏されている楽器が変わった時に合図する、歌詞の中で特定の言葉が歌われた時に合図するなど、集中を持続して保ち、様々な刺激の中から特定のものを選択する練習として行われます。