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東京ちどり病院
〒146-0083
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FAX:03-3758-2664
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東京ちどり病院医療安全管理対策委員会
平成15年4月1日 施行
平成24年6月1日第2版改訂
1-1 基本理念
医療の基本である医療安全は、医療現場において医療を受ける側である患者の安全を最終目的としている。
本指針はこのような考え方と東京ちどり病院(以下「当院」とする)の基本理念のもとに、職員一人一人が医療安全の重要性を認識し、それぞれの現場での日常業務の中に反映させ、患者さんの協力を得ながら、医療施設全体の組織的な事故防止対策を行うことにより、病院全体の医療事故を減少させることを目指し、患者さんにとって安心して医療を受けられる環境を常に考えることを基本姿勢とする。
1-2 用語の定義
本指針で使用する主な用語の定義は、以下の通りとする。
(1)医療事故(アクシデント)
医療の過程において発生した望ましくない事象。また、医療提供側の過失の有無は問わず、不可抗力と思われる事象も含む。
(2)インシデント
患者に障害・被害を及ぼすことはなかったが、日常診療の現場で“ヒヤリ”とした“ハット”した状況。
2-1 組織体制
当院における医療安全対策と患者の安全確保を推進するために、本指針に基づき当院に以下の役職および組織等を設置する。
(1)医療安全管理責任者
(2)医薬品安全管理責任者
(3)医療機器安全管理責任者
(4)リスクマネージャー
(5)医療安全管理対策委員会
2-2 医療安全管理責任者
(1)医療安全管理責任者の配置
医療安全管理責任者は、医療安全管理に必要な知識及び技能を有する職員であって、医療安全管理者(病院長)の指名により、当院全体の医療安全管理を中心的に担当する者である。
医療安全管理者から委譲された権限に基づいて、安全に関する院内の体制の構築に参画し、各種活動の円滑な運営を支援する。
(2)業務・役割
①安全管理体制の構築
②医療安全に関する職員への教育・研修の実施
③医療事故を防止するための情報収集・事故分析・対策立案・フィードバック・評価
④医療事故への対応
⑤安全文化の醸成
2-3 医薬品安全管理責任者
(1)医薬品安全管理責任者の配置
医薬品の安全使用のために、医薬品安全管理責任者を配置する。
医薬品安全管理責任者は医薬品に関する十分な知識を有する常勤職員であり、医師(病院管理者との兼任は不可)、薬剤師、看護師のいずれかの資格を有する者から選任する。
(2)業務・役割
①医薬品の安全使用のための業務に関する手順書の作成。
②職員に対する医薬品の安全使用のための研修の実施。
③医薬品の業務手順書に基づく業務の実施。
④医薬品の安全使用のために必要となる情報の収集その他の医薬品の安全確保を目的とした改善のための方策の実施。
2-4 医療機器安全管理責任者
(1)医療機器安全管理責任者の配置
当院全ての医療機器の適切な保守と効率的使用を含めた包括的な管理のために、医療機器安全管理責任者を配置する。
医療機器安全管理責任者は、医師(病院管理者との兼任は不可)、薬剤師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師または臨床工学技士のいずれかの資格を有する常勤職員の中から選任する。
(2)業務・役割
①医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施。
②医療機器の安全使用のために必要となる情報の収集と改善のための方策の実施。
③職員に対する医療機器の安全使用のための研修の実施。
2-5 リスクマネージャー
(1)リスクマネージャーの配置
医療安全管理を推進するためのリーダー的役割を果たすリスクマネージャーを選任する。各部署に1名配置とし、原則として各部署所属長(もしくは、所属長から選出をうけた者)がこれにあたるものとする。
(2)業務・役割
①リスクマネージャーは自動的に医療安全管理委員会の構成メンバーとする。
②インシデント件数・アクシデント内容等の医療安全管理委員会での報告。
③医療安全管理委員会で検討された情報の所属職員への周知。
④現場でのリスクマネージメント教育。
⑤現場での事例分析・検討・改善対策・周知徹底・マニュアル作成。
⑥現場での対策・マニュアルの医療安全管理委員会への報告。
⑦職員に対する医療機器の安全使用のための研修の実施。
2-6 医療安全管理対策委員会
(1)医療安全管理対策委員会の設置
当院における医療安全管理対策を総合的に企画、実施するために、医療安全管理対策委員会を設置する。
(2)委員の構成
医療安全管理対策委員会の構成は、以下の通りとする。
①病院長
②医局長(委員会の委員長を努めるものとする)
③看護部長
④事務長
⑤医薬品安全管理責任者
⑥医療機器安全管理責任者
⑦リスクマネージャー(各部署の責任者もしくは準ずるものから選出する)
(3)任務
①医療安全管理対策委員会の開催および運営
②医療に係る安全確保を目的とした報告で得られた事例の発生原因、再発防止策の検討および職員への周知
③院内の医療事故防止活動および医療安全に関する職員研修の企画立案
④医薬品、医療機器の安全管理の推進
⑤その他、医療安全の確保に関する事項
(4)委員会の開催および活動の記録
①委員会は原則として、月1回、定例会を開催するほか、必要に応じて委員長が召集する。
②委員長は、委員会を開催したときには、速やかに検討の要点をまとめた議事の概要を作成し、2年間これを保管する。
③委員長は、委員会における議事の内容および活動の状況について、必要に応じて病院長に報告する。
3-1 報告にもとづく情報収集
(1)報告すべき事項
全ての職員は、当院内でインシデントおよびアクシデント(医療事故)に該当する状況に遭遇した場合には報告基準に則って、速やかに報告する。
(2)報告の方法
①前項の報告は、原則として別に定める書面をもって行う。ただし、緊急を要する場合にはひとまず口頭で報告し、患者の救命措置等に支障が及ばない範囲で、遅滞なく書面による報告を行う。
②報告は、診療録、看護記録等、自らが患者の医療に関して作成すべき記録に基づき作成する。
3-3 報告内容の検討等
(1)改善策の策定
医療安全管理対策委員会は、前項の定めに基づいて報告された事例を検討し、医療の安全管理上有益と思われるものについて再発防止の観点から、当院の組織としての改善に必要な防止対策を作成するものとする。
(2)改善策の実施状況の評価
医療安全管理対策委員会は、すでに策定した改善策が、各部門において確実に実施され、かつ安全対策として有効に機能しているかを常に点検・評価し、必要に応じて見直しを図るものとする。
3-4 その他
(1)病院長および医療安全管理対策委員会の委員は、報告された事例について職務上知りえた内容を、正当な事由なく他の第三者に告げてはならない。
(2)本項の定めに従って、報告を行った職員に対しては、これを事由として不利益な取扱いを行ってはならない。
4-1 安全管理のためのマニュアル
安全管理のために、当院において以下のマニュアルを整備する。
(1)医療安全管理マニュアル
(2)感染対策マニュアル
(3)輸血療法マニュアル
(4)褥瘡対策マニュアル
(5)災害対策マニュアル
(6)医薬品安全使用の為の業務手順書
(7)その他
4-2 安全管理のためのマニュアルの作成と見直し
(1)上記のマニュアルは、関係部署の共通のものとして整備する。
(2)マニュアルは、関係職員に周知し、また、必要に応じて見直す。
(3)マニュアルは、作成・変更の都度、医療安全管理委員会に報告する。
4-3 安全管理のためのマニュアル作成の基本的な考え方
(1)上安全管理のためのマニュアルの作成は、多くがその作成・検討に関る事を通じて、職場全体に日常診療における危険予知、患者の安全に対する認識、事故を未然に防ぐ意識などを高め、広めるという効果が期待される。全ての職員はこの趣旨をよく理解し、マニュアルの作成に積極的に参画しなくてはならない。
(2)安全管理のためのマニュアルの作成、その他、医療の安全・患者の安全確保に関する議論においては、すべての職員はその職種、資格、職位の上下に関らず対等の立場で議論し、相互の意見を尊重しなくてはならない。
5-1 医療安全管理のための研修の実施
(1)医療安全管理対策委員会は、予め作成した研修計画に従い、概ね6ヶ月に1回、全職員を対象とした医療安全管理のための研修を定期的に実施する。
(2)研修は、医療安全管理の基本的な考え方、事故防止の具体的な手法等を全職員に周知徹底することを通じて、職員個々の安全意識の向上を図ると共に、当院全体の医療安全を向上させることを目的とする。
(3)職員は、研修が実施される際には、極力、受講するよう努めなければならない。
(4)病院長は、本指針〔5-1〕(1)号の定めに関らず、当院内で重大事故が発生した後など、必要があると認めるときは、臨時に研修を行うものとする。
(5)医療安全管理対策委員会は、研修を実施したときはその概要を記録し、2年間保管する。
5-2 医療安全管理のための研修の実施方法
医療安全管理のための研修は、病院長等の講義、院内での報告会、事例分析、外部講師を招聘しての講習、外部の講習会・研修会の伝達報告会または有益な文献の抄読などの方法によって行う。
6-1 救急措置の最優先
医療側の過失によるか否かを問わず、患者に望ましくない事象が生じた場合には、可能な限り、まず、院内の総力を集結して、患者の救命と被害の拡大防止に全力を尽くす。また、当院のみでの対応が不可能と判断された場合には、遅滞なく他の医療機関の応援を求め、必要なあらゆる情報・資材・人材を要請する。
6-2 病院長への報告など
(1)前項の目的を達成するため、事故の状況・患者の現在の状況等を、所属長および医療安全管理対策委員長を通じて、あるいは直接に病院長(または代行者)へ迅速かつ正確に報告する。
(2)病院長は医療安全管理対策委員長と協議の上、必要に応じて委員長に医療安全管理対策委員会等を緊急招集・開催させ、対応を検討させることが出来る。
(3)報告を行った職員は、その事実および報告の内容を、診療録、看護記録等に記録する。
6-3 患者・家族・遺族への説明
(1)事故発生後、救命措置の遂行に支障を来たさない限り可及的速やかに、事故の状況、現在実施している回復措置、その見通し等について、患者本人、家族等に誠意をもって説明するものとする。患者が事故により死亡した場合には、その客観的状況を速やかに遺族に説明する。
(2)説明を行った職員は、その事実および説明の内容を、診療録、看護記録等に記録する。
6-4 警察署への届出
明らかに医療事故が原因で患者が死亡するなど重大事態が発生した場合には、速やかに所轄の警察署に届出を行う。過失がはっきりしないような事例では医療安全管理対策委員会で届出の必要性の有無を検討する。
6-5 異状死
全ての外因死(災害死を含む)とその後遺症による死亡(いずれも疑いを含む)自殺、他殺、死因不明の場合24時間以内に所轄警察に届出する。
6-6 保健所、関係行政機関への報告
医療事故が原因で、患者が死亡するなど重大な事態が発生した場合、保健所など関係行政機関の実地調査、立ち入り検査を受ける入れることは、医療事故の発生原因の解明や再発の防止に繋がることから、所轄の保健所など関係行政機関に対しても速やかに報告を行う。
6-7 重大事故の公表
重大な事故が発生した場合、保健所、警察署への届出を終えた後、医療機関自らその医療事故の事実を正確かつ迅速に社会に対し、積極的に公表して行く必要がある。但し、公表の前には、患者・家族と十分に話し合い、公表する範囲を決めておく。また事故当事者への十分な配慮も必要である。
(1)会見場所 当院3階会議室
(2)主な公表内容
①事故名 ②病院名・所在地・院長名 ③患者の年齢・性別 ④発生日時・場所 ⑤発生経過(事故に係る医療行為、原因など)⑥事故後の対応(調査委員会の開催状況、対応、調査の推進状況)⑦事故再発防止策 ⑧事故報告・届出先 ⑨患者及び家族のプライバシー保護についてのお願い ⑩場合によっては、責任や処分について言及する ⑪本件の照会窓口(氏名・電話・FAX)
(1)患者さん等からの相談?苦情等に迅速かつ適切に対応するため、院内に医療相談窓口を設置する。
(2)医療相談窓口の活動の趣旨(相談内容)、設置場所、責任者、対応時間等について、院内に掲示する。
(3)相談窓口を経たもの、アンケート用紙を通しての意見、直接医療担当者へ投げかけられたものについて、誠意を持って対応する。
(4)担当者は、業務上知り得た相談内容等の情報については、関係者以外の者に漏らしてはならない。
(5)責任者は相談をした患者等が不利益を受けないように適切な配慮をする。
(6)必要に応じて医療安全管理対策委員会へ報告する。。
(7)医療情報の開示については全面公開を基本に患者利益を優先する。
(8)その他、安全確保体制の点検・見直しを定期的に行い医療連携による情報共有と共に安全性の向上に努める。
8-1 本指針の見直し、改正
(1)医療安全管理対策委員会は少なくとも毎年1回以上、本指針の見直しを議事として取り上げ検討するものとする。
(2)本指針の改正は、医療安全管理対策委員会の決定により行う。
8-2 本指針の閲覧
本指針は、患者およびその家族から閲覧の求めがあった場合には、これに応じるものとする。また、本指針についての照会には事務長が対応する。
改訂履歴
平成15年4月1日 施行
平成18年1月1日 改訂:「患者からの相談への対応に関する基本方針」追加。
平成22年3月1日 改訂
平成24年7月1日 改訂:「基本理念」変更。
「医療安全に関する委員会および組織に関する基本方針」に、医療安全管理責任者、医薬品安全管理責任者、医療機器安全管理責任者、リスクマネージャーを追加。